生活指導は患者さんに合わせて様々です
特に夜間頻尿を訴える患者さんが多く、この原因には夜間多尿や過活動膀胱の合併も考えられます。この生活指導では、まずは冷えないようにすること、そして水分を摂り過ぎて多尿になっている患者さんには適切な摂取水分量の指導を行います。
場合によっては毎日の尿量と回数を記録する「排尿日誌」をつけていただき、膀胱に十分に尿を貯められるか、多尿、夜間多尿がないかなどをチェックします。過活動膀胱で尿を貯められない患者さんには「膀胱訓練」といって、尿意を感じてもしばらく我慢して膀胱に尿を貯めるトレーニングを行っていただくこともあります。
肥満や便秘の解消、禁煙も前立腺肥大症の症状改善につながります。また、禁酒とまでは申し上げませんが、アルコールによって前立腺がうっ血し、尿が出にくくなることがわかっていますので、なるべく飲酒量を減らすように心がけていただくようにします。
患者さんへのメッセージ
尿の出が悪く、お腹が張るなどの症状があれば専門医へ
症状が軽い場合は、お近くの内科など、かかりつけの先生に診てもらっていて問題ないと考えます。でも、尿の出が悪い、そのためお腹が張ってくるなどの症状を自覚されたら腎機能への悪影響も考えられますので、放置せず、早い時期にかかりつけの医師から紹介状をもらい、ぜひ専門医(泌尿器科)を受診していただきたいと思います。
山西 友典先生略歴
千葉大学医学部卒業。同大学医学部講師、英国シェフィールド大学客員講師、千葉大学フロンティアメディカル工学研究開発センター特別研究員等を経て、2010年より獨協大学医学部教授。2011年より、患者さんの「QOL=生活の質」向上を目的として開設された獨協医科大学病院排泄機能センター診療部長・主任教授。日本泌尿器科学会専門医、指導医、代議員、日本排尿機能学会理事、医学博士。