膀胱の出口で尿道を取り囲んでいるのが前立腺です。前立腺を体の横から見ると、恥骨と直腸の間に位置しています。クルミのような形と大きさをしており、一般的な成人男性の前立腺の体積は通常20cc以下といわれています。
- 排尿症状(尿を出すことに関連した症状)
- 尿が出始めるまでに時間がかかる(尿を出したくてもなかなか出ない)
- 尿の勢いが弱い
- 尿が分かれる(尿線が何本かに分かれて出る)
- 排尿の途中で尿が途切れる
- 力まなければ尿が出ない
- 畜尿症状(尿を貯めることに関連した症状)
- 頻尿(頻繁に尿意をもよおす。朝起きてから就寝まで約8回以上)
- 夜間頻尿(就寝後1回以上排尿したくて起きる)
- 尿意切迫感*1(急に我慢できないような強い尿意が起こる)
- 排尿後症状(排尿した後に現れる症状)
- 残尿感(排尿後、「尿が出切っていない」といった感じがする)
- 排尿後尿滴下(尿が終わって下着をつけた、その後にも尿が漏れてしまう)
*1【尿意切迫とは?】
突然起こる我慢できないような強い尿意で、徐々に尿意が強くなってくる強い尿意とは異なります。トイレまで間に合わずに尿が漏れてしまう症状です。この症状を伴うものが「過活動膀胱」で、前立腺肥大症の患者さんの50~70%の人に過活動膀胱がみられます。
過活動膀胱は、膀胱に十分尿が貯まっていないうちに、膀胱が勝手に収縮してしまい、尿意切迫感をもよおし、通常頻尿になります。ただ、頻尿の原因はこれだけでなく、前立腺肥大症によって排尿後も膀胱内に尿が多量に残るようになると、膀胱に貯められる尿量が減り、結果的に頻尿になる場合もあります。