主な症状は?

主な症状は?

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主な症状は?

排尿のトラブルを感じたら前立腺肥大症を疑いましょう。年齢のせいなどと放置せず、医師に相談することが大切です。

前立腺肥大症の症状は、大きく3つに分けられます。

  • 排尿症状(尿を出すことに関連した症状)
  • 蓄尿症状(尿を貯めることに関連した症状)
  • 排尿後症状(排尿した後に現れる症状) 

こんな症状はありませんか?

膀胱の出口で尿道を取り囲んでいるのが前立腺です。前立腺を体の横から見ると、恥骨と直腸の間に位置しています。クルミのような形と大きさをしており、一般的な成人男性の前立腺の体積は通常20cc以下といわれています。

  • 排尿症状(尿を出すことに関連した症状)
    • 尿が出始めるまでに時間がかかる(尿を出したくてもなかなか出ない)
    • 尿の勢いが弱い
    • 尿が分かれる(尿線が何本かに分かれて出る)
    • 排尿の途中で尿が途切れる
    • 力まなければ尿が出ない
  • 畜尿症状(尿を貯めることに関連した症状)
    • 頻尿(頻繁に尿意をもよおす。朝起きてから就寝まで約8回以上)
    • 夜間頻尿(就寝後1回以上排尿したくて起きる)
    • 尿意切迫感*1(急に我慢できないような強い尿意が起こる)
  • 排尿後症状(排尿した後に現れる症状)
    • 残尿感(排尿後、「尿が出切っていない」といった感じがする)
    • 排尿後尿滴下(尿が終わって下着をつけた、その後にも尿が漏れてしまう)

*1【尿意切迫とは?】
突然起こる我慢できないような強い尿意で、徐々に尿意が強くなってくる強い尿意とは異なります。トイレまで間に合わずに尿が漏れてしまう症状です。この症状を伴うものが「過活動膀胱」で、前立腺肥大症の患者さんの50~70%の人に過活動膀胱がみられます。

過活動膀胱は、膀胱に十分尿が貯まっていないうちに、膀胱が勝手に収縮してしまい、尿意切迫感をもよおし、通常頻尿になります。ただ、頻尿の原因はこれだけでなく、前立腺肥大症によって排尿後も膀胱内に尿が多量に残るようになると、膀胱に貯められる尿量が減り、結果的に頻尿になる場合もあります。 

前立腺肥大症の進行とともに現れる合併症

  • 尿閉
    膀胱内に尿が十分貯められているのに、尿が出ない状態をいいます。飲酒や感冒薬(風邪薬)、抗不安薬、抗不整脈薬が尿閉の要因となることもあります。
  • 血尿
    前立腺肥大症に伴って、尿道粘膜が充血し、血尿が出る場合があります。
  • 膀胱結石
    前立腺肥大症により、膀胱内に残尿があると、結石ができやすくなるといわれています。
  • 尿路感染症
    前立腺肥大症により、膀胱内の残尿が細菌の増殖を助長して起こるとされています。
  • 腎後性腎不全
    腎臓より下の尿管・膀胱・尿道に原因がある腎不全を「腎後腎不全」といいます。前立腺肥大症に腎不全が合併するのは、多量の残尿が原因で膀胱内の圧力が高くなり、尿管から膀胱への尿の流出が妨げられるために、水腎、水尿管になることが原因です。

 

主な検査・診断方法は?

前立腺肥大症を発見するための
検査・診断方法についてご説明します。